防災リュックが重いときは、まず同じ役割の重複品、次に家で使うための道具、続いて容器や付属品を見直します。水や本人に欠かせない品を一律に減らすのではなく、「外で必要か」「誰が持つか」を一つずつ決めるのが編集部の提案です。軽くなっても必要な物が手元に残らなければ、見直しは終わりではありません。
東京都の「東京くらし防災」は、持ち出し袋を実際に持ち歩ける重さに調整するよう案内しています。体格だけで全員に共通する上限を決めず、普段の移動方法、子どもの付き添い、使う補助具なども含めて考えましょう。
最初に中身を三つの置き先へ分ける
平時にリュックを広げ、紙に「本人が携行」「家に置く」「判断を保留」の三つを書きます。不要と即断して捨てる作業ではありません。取り出した物には次の置き場所を決め、別の棚へ移したまま所在が分からなくなることを防ぎます。食品や電池は元の表示を残し、軽量化のために正体や使用期限が分からない状態にしないでください。
携行する欄には、連絡に使う物、本人に合う衛生用品、移動先でも必要な個人用品などを挙げます。医療に関係する物は、重量だけで中止や減量を決めず、主治医や薬剤師などに事前相談します。ここでは薬の数量や服用方法を変更する案内はしません。
減らす順番を確認する表
| 順番 | 見直す物 | 残すかどうかの質問 |
|---|---|---|
| 1 | 同じ作業用の道具 | 同時に別の人が使う必要があるか |
| 2 | 大きな在宅用用品 | 避難中に本人が使う場面があるか |
| 3 | 収納箱・予備付属品 | 保護や表示を失わず省けるか |
| 4 | 衣類やタオルの重なり | 季節と本人の事情に合う組合せか |
| 5 | 家族共用品の担当 | 担当者が不在でも困らないか |
照明が二つある場合も、単に重複とは限りません。本人用と別の家族用なら役割が違います。一方、一人の袋に似た大きさのランタンを用途未定のまま複数入れているなら、一つを在宅用へ移す候補になります。「品名が同じ」ではなく「使う人と場面が同じ」を重複の判定にします。
具体例:大人一人が子どもと出る場合
仮に大人の袋へ家族全員分の大型照明、厚いタオルの束、調理用の道具を詰めているなら、まず家で使う照明と調理道具を分けて考えます。子どもと手をつなぐ場面を想定し、追加の手提げ袋を増やすだけの分散にはしません。子どもに荷物を持たせれば解決するという前提も置かず、大人だけで持つ場合の構成を一度作ります。
次に着替えは季節に合う組合せを確認し、同じ用途の予備が増え続けていないかを点検します。タオルを減らすなら、必要な用途を書き出し、残す物で足りるか検討します。家庭ごとの状況を見ず「衣類は一枚」「水は不要」といった固定の削減指示にはしないことが大切です。
背負い直すときに見るのは数字だけではない
平らで片付いた室内で、体調に無理のない範囲で本人が背負います。肩ひもを調整しても痛む、袋を持ち上げにくい、身の回りの物を取り出すたびに全部降ろす必要がある、といった気付きをメモします。階段や暗い場所で限界まで試す必要はありません。前後の重さを測れるなら、日付とともに記録して増量を見つける目安にします。
重さを減らしても扱いづらさが残る場合は、詰め方や袋の形も確認します。大きな袋へ買い替えるとさらに物を詰められますが、持てるようになるとは限りません。新しい袋は容量の大きさより、本人が装着し、置き場から取り出せるかを優先して検討します。
選ばない軽量化の方法
個人用品を全て家族代表の袋へ寄せる方法は、別行動がある家庭では避けます。重い物を玄関に別置きし、避難直前に追加する運用も、追加後に持てないなら採用しません。必需品を削らないと持てない場合は、荷物だけで解決しようとせず、地域の防災・福祉窓口で避難支援も含めて相談する選択があります。
よくある質問
水を最初に減らしてもよいですか?
重さだけで先に削るのはおすすめしません。重複品と在宅用品を見直し、移動条件や本人の事情も考えて携行する内容を決めます。現地で必ず入手できるとは想定しないでください。
家族で一つのリュックなら軽くなりますか?
袋の数は減っても一人の負担が大きくなります。誰が不在になるか、別々に出る可能性があるかを確認し、本人が持つ品と共用品を分けて考えます。
減らした品は処分するべきですか?
使える在宅用品まで処分する必要はありません。保管条件に合う場所へ移し、持ち出し用の数には含めないよう台帳を分けると判断が明確になります。
今日は重複品を一つ見つける
袋の中から使う場面を説明できない品を一つ取り出し、残す理由か移す場所を書いてみましょう。その後に本人が背負い直し、必要品の抜けを防災セットのチェックリストで補えば、追加一辺倒ではない点検になります。

